MizuMirai Vol.11

Special Feature特集②

みずとつちの芸術祭が
伝えること。

新潟の歴史や文化を、
アートを通じて再確認する。

新潟市の日常を芸術のまなざしで見つめ直し受け継いできた「みずとつちの芸術祭」について、運営に携わってきた小川弘幸さんと平岩史行さんにお聞きしました。

米所として、酒所として名高い新潟県。そのなかでも日本海に面し、信濃川と阿賀野川という二大河川を抱える新潟市は、古くから「水と土」によって形づくられてきました。肥沃な土壌は稲作文化を支え、豊かな水系は暮らしや産業の源泉となってきました。その一方で、水害や地震といった自然災害とも向き合いながら、人々は自然と共生する知恵を育んできました。この土地固有の歴史や文化を、芸術という切り口で表現しようと始まったのが「水と土の芸術祭」。行政から民間へ、「みずとつちの芸術祭」と名称を変更しながらも受け継がれた都市型芸術祭について、その誕生からこれからの展望について、運営に携わってきた小川弘幸さんと平岩史行さんにお聞きしました。

「新潟市は、2001年と2005年に行われた平成の大合併で広域化し、新しい都市イメージを確立する機運が高まりました。新潟市は信濃川と阿賀野川という二大河川に育まれた町。その歴史や文化を「水と土」をテーマにアートで発信しようと始まったのが『水と土の芸術祭』。2009年に第1回を開催。以降は3年に1度開催してきました」と話すのは、立ち上げ時から運営に携わってきた、新潟市芸術創造村・国際青少年センター「ゆいぽーと」副館長兼統括ディレクターの小川弘幸さん。新潟には先行して、十日町市で3年に1度開催されている「大地の芸術祭」があります。小川さんは違いについてこう語ります。「『大地の芸術祭』は里山を舞台にしていて、「人間は自然に内包される」という理念があります。一方、『水と土の芸術祭』は潟や河川敷、海岸など水辺空間をはじめ、市内の日常を舞台にしています。商店街や公共施設など、生活に直結する場所でアートが展開されるため、市民が主体的に関われる点がポイント。観光型というより『生活に根差す芸術祭』。自分たちの暮らしや土地を、芸術を通じて、新しい視点で見直すことにつなげたいという狙いがあります」。

MizuMirai Vol.11

Special Feature特集①

今、南極で起きていること。
融けるから崩壊するへ。

融けた氷の水と暖かい海水によって、
氷がどんどん剝がれていく可能性がある。

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