Chapter 1

市民参加型の芸術祭をめざして。

行政から民間へ。
市民参加型の芸術祭をめざして。

行政が主導して始まった「水と土の芸術祭」は2009年から4回開催されました。同時に、どのように持続させるかという課題に直面。その他のさまざまな理由で2018年に幕を閉じることになりました。しかしその後、市民やNPO団体が中心となった、市民主導の芸術祭をめざす活動として引き継がれます。そのきっかけを、現在の「みずとつちの芸術祭」実行委員であり、総合ディレクターの平岩史行さんはこう教えてくれます。「閉会式で、当時、副実行委員長だった私が挨拶をすることになりました。本当は終了を宣言するつもりだったのですが、市民の方々のがんばる姿や期待を思い出すと『市民主導でこの芸術祭を続けたい』と宣言してしまったのです。突発的な発言でしたが、よく言ってくれたと賛同してくれる人がたくさん現れて、引くに引けず続ける道を探し始めました」。本当に市民主導でできるのだろうか?やがて世の中はコロナ禍となります。イベントはのきなみ自粛。平岩さんは新しいカタチを模索しなければならなくなりました。「バーチャルで行うこと。大規模でなくてもいいから、市民の参加を募ること。コンセプトは継承しながら、従来の形式にとらわれない新しい形をめざしました。そして2020年からは「仮想 みずとつちの芸術祭」としてスタート。継続はチカラです。コロナ禍で人々の気持ちが塞ぎ込む中、少しでもほっこりするようなイベントを提供できたらという想いで始めました」と平岩さんは言います。2020年以降は毎年開催。コロナ禍も明け、ここ数年は屋外での展示も復活。現在では、芸術祭期間中は地域住民自らが企画・実施する活動が活発に展開されています。

MizuMirai Vol.11

Special Feature特集①

今、南極で起きていること。
融けるから崩壊するへ。

融けた氷の水と暖かい海水によって、
氷がどんどん剝がれていく可能性がある。

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